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  • RTSP対応カメラで人数検知して通知

SORACOM LTE-M Button Plus からの信号を受けて、RTSP(Real Time Streaming Protocol) 対応のカメラで静止画を取得し、SORACOM Flux で人物を検知して、メールで通知します。取得した静止画は SORACOM Harvest に蓄積されるので後から確認できます。

概要

このアプリテンプレートでは、SORACOM LTE-M Button Plus (以下、LTE-M ボタン)、産業用LTE Wi-Fi ルーター UD-LT2 (以下、LTE ルータ)、TP-Link Tapo C210 (以下、RTSP対応カメラ)を使用します。 LTE-M ボタン以外は、同等の機能を持つ機器であれば、ご自身の機器でも代用できます。RTSP 対応カメラで取得したスナップショットを利用し、 SORACOM Flux による静止画の取得と人物を検知し、検知したデータはメール通知され、画像データは SORACOM Harvest に蓄積されます。このアプリがあると以下のことに役立ちます。

  • 既存のカメラを IoT カメラとして使用します
  • 常時録画データを目視確認することなく、確認したい時に LTE-M ボタンを押下することで AI により人数をカウントします
  • 人物以外でも、AI への指示 (プロンプト) をカスタマイズすることでカウントできます
  • 検知したデータはメール通知します

監視対象やカウントの方法は、AI アクション内のプロンプト (AI への指示文) の設定により変更できます。どのような条件でユーザーに通知するかは、メール 通知アクションの実行条件を指定することで設定できます。

メール通知の例

送信されるメールは以下のような内容です:

概算費用

初期費用

品目
費用
備考
SORACOM LTE-M Button Plus
8,118円
産業用 LTE Wi-Fi ルーター UD-LT2
27,280円
TP-Link Tapo C210

月額費用

品目
当アプリの概算費用
備考
SORACOM Flux
15 円/月(*1)
SORACOM IoT SIM (plan-KM1)
110/月
SORACOM IoT SIM(plan-KM1)の費用が発生します。(*2)
SORACOM Harvest Files
242 円/月
  • (*1) LTE-M ボタンの押下が 1 日に 2 回として設定された場合 として試算します。 この Flux アプリでは、1 日あたり 2 回イベント数がカウントされ、1ヶ月間 (31日) の稼働で 62回のイベント数がカウントされます。
  • SORACOM Flux の Developer プランではアカウントあたり 10,000 イベント/月まで無料で利用いただけます。10,000 イベント/月を超過した場合はイベントあたり 0.11 円が発生します。
  • この Flux アプリでは、1日あたり AI アクションが 2回実行されます。AI モデルは Amazon Bedrock – Amazon Nova Liteを利用し、1 回の実行で 3 クレジットが使用されます。このため 1 日あたり 6 クレジットを消費し、1 ヶ月間 (31日) の稼働では 186 クレジットが使用されます。
  • SORACOM Flux の Developer プランではアカウントあたり 1,500 クレジット/月まで無料で利用いただけます。1,500 クレジット/月を超過した場合はクレジットあたり 0.044 円が発生します。
  • イベント数、クレジットは、無料で利用いただけるバンドル分と同じ上限値が当初は設定されています。上限に達した場合はイベントによるアプリの起動やアクションは実行はされません。これを超えて使用したい場合はあらかじめ上限を更新してください。月のバンドル分を超える上限を設定した場合、超過したイベント数やクレジットは従量課金でご利用いただけます。
  • (*2) 月額基本料金の他に、データ通信料金が発生します。データ通信料金については日本カバレッジ IoT SIM (plan-KM1)を参照して下さい。

本記載は概算であり、実際の利用状況によって変動します。 正確な料金はSORACOM のサービスページおよびユーザーコンソールから利用明細をご確認ください。 ユーザードキュメント イベント数、クレジット使用料の上限を設定するも併せてご確認ください。

事前の準備

このテンプレートでアプリをデプロイする (テンプレートを実行する) 前に、以下を準備しましょう。

  1. LTE-Mボタン設定: LTE-Mボタンを有効化し、グループの設定を行う

    詳細はソラコムのドキュメントSORACOM LTE-M Button Plus ユーザーガイド”Getting Started” “ユーザーコンソールにLTE-M Button Plusを登録する”を参照してください。

  2. IoT SIM設定: LTEルータに挿入するIoT SIMを有効化し、SIM ID を確認する

    詳細はソラコムのドキュメント SORACOMの利用を始める  のSTEP 2-1 から STEP 2-2を参照してください。

  3. LTEルーター設定: IoT SIM を挿入し、4G回線、Wi-Fi機能の有効化を行う

    詳細はソラコムのドキュメント 産業用 LTE Wi-Fi ルーター UD-LT2 をセットアップするの”セットアップする”を参照してください。有効化したWi-FiのSSIDとパスワードを控えておいてください。

  4. RTSP対応カメラ設定: 初期設定を行い、RTSPを利用するためのアカウントを作成してLTEルーターへ接続する

    詳細はご利用のRTSP対応カメラの取扱説明書及び公式サイトを参照ください。今回テンプレートの作成にあたって使用した Tapo C210 の初期設定はTapoカメラの設定方法を、RTSPを利用するためのアカウント作成についてはこちらを参照してください。

初期設定時の Wi-Fi は LTE ルーターで行うこともできますが、SIM のデータ通信量を消費します。ご自身の Wi-Fi を使用される場合は、アカウント作成後に LTE ルーターへ繋ぎ変えてください。

  1. LTE ルーター設定2: プライベート IP アドレスの確認および転送設定を行う

    RTSP対応カメラは、通常 LAN 内のプライベート IP アドレスを持っており、そのままではインターネットからアクセスできません。SORACOM Flux からカメラへアクセスするためには、LTEルーターで ポート転送(Port Forwarding) を設定し、外部からの RTSP 通信をカメラのプライベート IP に転送する必要があります。
    LTEルーターの管理画面にログインし、無線ステータスを開き、接続済みのIPアドレスを確認します。確認用のPCのIPアドレスと混同しないようにご注意ください。

    RTSP用のポートの転送設定を行います。転送設定の画面で設定を追加し、以下のように設定します。

項目
設定値
プロトコル
TCP
初期アドレスタイプ
インターフェース
インターフェース
4G
初期ポート(Public Port)
554(RTSPのデフォルト)
マッピングアドレス(Private IP)
カメラのIPアドレス(例:192.168.8.65)
マッピングポート(Private Port)
554

マッピングアドレスは先ほどのRTSP対応カメラのプライベートIPアドレスを設定します。

  1. メール設定: 検証済みの送信先メールアドレスを設定する

    詳細はソラコムのドキュメント メールアドレス を参照してください。

アプリの作成

設定のカスタマイズ

アプリ作成時点ではアプリが起動するLTE-Mボタンが所属するグループと、対象のIoT SIMと、RTSPカメラにアクセスするためのアカウント(ユーザー名、パスワード)、送信先メールアドレスを設定できます。 メールアドレスは、[メールアドレスを選択する]ボタンから検証済みの送信先メールアドレスを選択してください。

TP-Linkのカメラ以外を使用している場合やポート番号を554以外に設定した場合、アプリの作成後に
・RTSPポート番号
・RTSPパス (例:/stream1 など)
を変更する必要があります。 RTSPパスについてはお使いのRTSP対応カメラの公式サイトを参照してください。

アプリの作成後に行うこと

適当な場所に RTSP カメラを設置し、LTE-M ボタンを押して動作を確認しましょう。

アプリのカスタマイズ

AI アクションの プロンプト欄 の文章を変更することで、どのような監視対象をカウントするのか変更できます。 どのような場合に通知するかの設定は、Email 通知アクションの アクションの実行条件 欄の payload.output.person >= 0 の数字を変更するなどしてください。

トラブルシューティング

うまく動かない場合はアプリの実行履歴を確認してください。詳細は 実行履歴/メッセージ履歴 (ログ) を確認する を参照してください。